ぬるっと社会人
ぬるっと社会人をやっている。といっても、職場はあまり社会感がない。
晴れて念願のフィールドエンジニアとなった俺は(電気系の知識もないのであるが)大手企業傘下の修理工として見習い中である。
周囲の人間は皆工業系出身であったりして、文系の俺はやや冷や汗をかきながら作業に取り組んでいる。正直、前職もそこそこ楽しかったのだが、やはり人と必要以上に接することがなく、ただ淡々と作業をこなすのは向いているのかもしれない。
ただ、いかんせん、俺は非力なので重労働ができない。まるでもやしである。というよりこれは身体的特徴からして仕方の無い事なのだが…。何とかやっていくしかなかろう。将来を考えるとやや心配になったりするのだが、大卒ゆえに賃金は良い。能がなくても入社できたことに感謝しながら、俺は期待にこたえなければならない。
暗黙の了解や、人の顔色をみて心を読むことが苦手な俺はやや特殊なコミュニケーションをとる上司たちに怯えながら生存している。生きていかねばならない。